刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
「一体どういうつもりだ」
「まあまあ、アタシの部屋で主が寝ちゃってさ、あんたが部屋まで連れてっておやりよ」
「飲ませすぎたんじゃないだろうな」
「そこまで飲ませてないよぉ~」
「どうだかな…」
ああ、廊下は寒いねぇ…すっかり酔いが覚めちまったよ、と次郎太刀は腕を擦っている。
次郎太刀の部屋に入ると、主が気持ちよさそうに寝ていた。他の男の部屋で見せるその無防備な姿に苛立ちを覚えるも、同時に己の狭量さにも嫌気がさした。
「あの子を大事にしてやらないとアタシが許さないからね」
「言われなくともそのつもりだ」
「そうかい、なら安心だ。主を頼んだよ」
「…あぁ」
大倶利伽羅が主を抱き上げると、彼女は甘えるように大倶利伽羅の首元に顔をすり寄せた。彼女が無意識にするその仕草に心臓が高鳴るも、次郎太刀の手前、平静を装い部屋を後にした。
両手が塞がっているため、執務室の襖を足でそっと開けて彼女の自室へ向かった。
部屋に着き、そっとベッドに横たわらせ、掛け布団をかけてやると
「ん…」
艶かしい声で彼女が寝返りを打つ。
…
このまま彼女の側にいると色々とやばい…そう思い自室に戻ろうとした時だった。
「…ぅ…ん、おーくり、か…ら…」
「…っ!」