刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
結局大倶利伽羅さんにはガトーショコラを個別に作ることにして、材料を買った。
鶴丸は玩具コーナーとかを楽しそうに見て回っている。またろくでもないものを買おうとしているのだろうか。
これは凄いぞ、と言うので見てみたら、声が変わるヘリウムガスだった。
「これを吸うと声が変わるらしいぞ!驚きだな」
「うん、変な声になるんだよ」
「変な声??よくわからんが面白そうだな」
「そーお?」
鶴丸は興味津々でヘリウムガスの缶を眺めている。
一体誰を驚かそうとしているんだろう。
「よし、これにしようじゃないか。これで奇声をあげて夜中長谷部の部屋に突撃だ」
「は!?な、なんで長谷部?というか、奇声あげて入ろうものなら敵と間違えられて、下手したら手入れ部屋行きなんじゃ…」
寝ている最中に、急に変な声で叫びながら誰か入って来ようものなら、問答無用で圧し斬られるのが普通だと思うのだけど…。
「短刀にしたいとこだが一期が怖いからな。長谷部はすぐ引っかかるからやりやすい。まあ安心しろ、俺もそう簡単には斬られやしないさ」
「確かに…短刀ちゃんに仕掛けようものなら一期さんにお覚悟されちゃうもんね」
一期さんは普段穏やかだけど怒ったら恐ろしく怖いのだ。特にそれが弟達の事であれば尚更だ。
微笑みながら(目は笑っていない)静かに抜刀する姿が想像できる。