刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
何今の…そういえば彼も伊達男なんだった。
無意識にこんな恥ずかしいことをさらっとしてくる辺り、流石だ。
その後の私はドキドキしてしまって食べた気がしなかったけど、取り敢えず大倶利伽羅さんも気に入ってくれたみたいで良かった!
「こっちに来た時は、また一緒に食べましょうね」
なんてちゃっかり約束して、ハンバーガーもポテトもしっかり堪能してもらってお店を出た。
それから車を走らせて政府施設の地下駐車場に到着し、ゲートを目指して歩いた。
本丸に帰ったら暫く二人っきりになれない…
そんな事を考えて少しだけ寂しくなっていると、大倶利伽羅さんが手を繋いでくれた。
「あんたの手は冷たいな」
「大倶利伽羅さんの手は、温かいですね…」
「あんたの手が冷たすぎるだけだ」
「冬が苦手で…」
「そうみたいだな」
そう言うとぎゅっと強く握ってくれてとっても温かくて。それからは時間を惜しむように、二人でゆっくり歩いた。
ゲートに到着し、自本丸の座標軸に合わせ転送ボタンを押した。
目の前には本丸…
たった一日留守にしただけなのに、色々な事がありすぎて随分経ったような…そんな気分だった。