刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
そんな事を考えている私をよそに、大倶利伽羅さんはあそこに座るか、と私の手を取って引っ張り歩いて行く。
彼は人目をあまり気にしていないみたい。
万屋も絶対行きたがらないし、てっきり舌打ちしながら嫌そうにするかと思っていたから意外だ。
席について、目の前でハンバーガーにかぶりついている大倶利伽羅さんがいる…
彼と現世でハンバーガーを食べられる日がくるなんて夢にも思わなかった。なんだかデートしてるみたい。
…というかこれは、デート?
想いが通じ合って恋人同士になったんだよね。
恋仲ってやつですよね…
夢にまで見た恋仲という関係に途端に照れくさくなり、顔が緩みそうになるのを必死で抑える。
「美味しくないのか?」
「!!」
私ったら動きが止まっていたようで、大倶利伽羅さんがこっちを見ていた。
「美味しいですっ、美味しくて思考停止してました!」
「…意味がわからん」
「大倶利伽羅さんのは、美味しいですか?」
「あぁ、うまいな。食べるか?」
そう言って私に食べかけのハンバーガーを差し出してきたので、恥ずかしながらも少しだけパクッと口にする。
「美味しい…チーズが濃厚ですね!私のも食べますか?」
「…」
そう聞くと、大倶利伽羅さんは私のハンバーガーを持っている手を掴み自分の方に引き寄せてそのままかぶりついた。
「!!」
「あぁ、こっちもうまいな」