刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
大倶利伽羅さんは無言でバンドを受け取り、手首に通した。すると瞬時に彼の瞳の色が黒に変わる。
不思議な感じ…瞳の色が違うだけで全然印象が変わる…
瞳の色が黒になった大倶利伽羅さんは、人間の男の人のようで。
「体に違和感とかあります?」
「特にないな」
「良かった…大倶利伽羅さん人間の男の人に見える」
「あんたと同じに見えるんだったら悪くない」
「勿論今も格好良いけど…、でも私はやっぱり金の瞳の大倶利伽羅さんの方が好き、です」
恥ずかしげもなくつい口走ってしまったら、大倶利伽羅さんが口元を片手で抑え顔を赤くしていた。
「へ?照れて、ます?」
「うるさい、行くぞ」
「はいっ」
入店し、大倶利伽羅さんはパティが分厚くてチーズが乗っているビックサイズのハンバーガーセットを注文し、私はトマト等野菜たっぷりのハンバーガーセットにした。
店員さんが大倶利伽羅さんを見て顔を赤くしている。他のお客さんもチラチラと見ていて…
『みてあの人!めっちゃ格好良くない?』
『わあ、何あれ。あり得ないくらいに格好良い!!横にいるの彼女とかかなぁ?』
『えー、そうなのかなー?』
『きっと知り合いだよ…』
そんな声が聞こえてきて…
そりゃそうだよね、言葉で言い表せないくらいに本当に本当に綺麗で格好良いもん。
それに比べて平凡な私…何であの子が?って思われてるんだろうな、と思うとなんだか居たたまれなくなった。