刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
「大倶利伽羅さんは何か食べたいものありますか?」
そう聞くと「あんたの食べたいものでいい」と答えてくれたのでハンバーガーを食べることにした。
現世にいる間はお店に立ち寄ったりするのは良しとされているが、現世の人達と必要以上に会話したり、こちらの素性を明かしたりすることは頑固として禁じられている。とにかく極力関わってはいけない。
「光忠と来るとね、ハンバーガーは体に良くないよ!とか言われてあんまりいい顔されないんです。国広くんは好きみたいだけど…だから久しぶりで、食べたくなっちゃった」
「体に悪いものなのか?」
「そんな事ないです!食べ過ぎは良くないですけど…」
「ならいいんじゃないか」
「じゃあ行きましょうか!」
お店に到着後、車から降りる前に大倶利伽羅さんにアームバンドを渡した。
「なんだ、これは」
「これを着けると、目の色が黒くなるんです」
大倶利伽羅さんの金色の瞳は現世では目立ちすぎていて、カラコンです、と誤魔化すには少し無理がある。
他の刀剣男士にしても瞳が赤や青だったり、その他の色だったり、とにかく人とかけ離れすぎているので、それを抑える術式を施された政府公認の道具が存在しているのだ。
それは眼鏡だったり、ピアスだったり形は様々で。
これも光忠と来ると思っていたからアームバンドにしたけど、大倶利伽羅さんってわかっていたら絶対眼鏡タイプにしたのに~と一人で嘆いた。