刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
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頬に温かい手が触れたので、びっくりして大倶利伽羅さんを見ると引き寄せられ、彼の胸に顔を押し当てられた。
「おおくり、からさん…」
「大丈夫だ、俺しかいない…」
泣かないと決めていたのに、いつの間にか涙が出てしまっていたようで…
それに加えて大倶利伽羅さんが優しくて、暫く涙が止まらなくなってしまった。
どれくらい時間が経ったのかわからないけど、落ち着いた頃には彼の着ている服を大分濡らしてしまっていた。
「ごめんなさい、もう大丈夫…」
「…もういいのか」
顔を上げると、大倶利伽羅さんは私の頬にそっと触れて、親指の腹で涙を拭いてくれた。
大倶利伽羅さんが太陽に照らされて、彼の金色の瞳がとても綺麗だな…と思ってドキドキして動けなくなっていたら、こっちに近付いてくる誰かの声が聞こえた。多分ここら辺に住んでいる人、だと思う。
そうだ、ここ外だった!!白昼堂々と抱き合ってたなんて…
慌てて、大倶利伽羅さんから離れ立ち上がる。
「遅くなると皆心配するし、お昼食べてから戻りましょうか」
「…そうだな」
「こんなとこまで付き合ってくれてありがとうございます」
私絶対顔真っ赤だ…