刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
ドキリ…
慌てて運転席に戻った。
心臓に悪い…ドキドキが収まらない。
「今度こそ出発しますね…」
「あぁ」
ナビをセットして地下駐車場を出て車を走らせた。
その間大倶利伽羅さんは、車の色々な設備に興味津々。あまり感情を表に出さない彼がここまで驚いている姿はとても珍しかった。
これが鶴丸だったら物凄いことになりそうだ。
40分程走ったら昔住んでいた風景が広がった。近くにあった田んぼはなくなってしまっていて、住宅が沢山建ち並んでいるけど、公園は懐かしい記憶のまま何も変わってなくて…
中学1年までここで暮らした思い出が蘇った。
近くの駐車場に車を止めて、大倶利伽羅さんと公園のベンチに腰かけた。
今日は幸いにも天気が物凄く良くて、冬にしてはとても暖かい。
「13歳まで、この近くで暮らしてたんです…」
「そうか…」
「小さい頃…休みの日はこの公園で暗くなるまで父と母と遊んで…まだ帰りたくないって駄々こねて二人を困らせて…友達とも沢山ここで遊んで…」