刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
ふいに目が覚めた。
窓の外はまだ暗い。起きるにはまだ早い、と思う。
なんだか腰の辺りが重い感じがする。
寝ぼけた頭で、目を擦りながら前を見ると…
「~~ッ!」
目の前に大倶利伽羅さんの寝顔…
普段は凛としていて、決して隙を見せない彼の無防備な姿。
一気に脳が覚醒して、昨晩の事が甦る。
ゆ、夢じゃなかった…
あれ?大倶利伽羅さんに背を向けて寝たはずなのに、いつの間にかなんで向き合ってるの!?恥ずかしいっ!
目線を下にさげて体を見ると、大倶利伽羅さんの腕がガッチリ私の腰に巻き付いている…だからあんなに重たく感じたんだ。
重たいけど、言い様のない幸福感に包まれて、彼の胸にすり寄って顔を埋めた。
大倶利伽羅さんの匂い…
大好き…
「…、ん…」
「!!」
大倶利伽羅さんの目がゆっくり開いた。
まだ少しトロンとした金色の瞳と目が合う。
ドキドキしてしまって少し体を離す。
「起きたのか…」
「お、おはようございます…」
寝起きの彼の少し掠れた声。
「まだ起きるには早いだろ…」
そう言って私を抱き寄せてまた目を閉じた大倶利伽羅さんがなんだか可愛くて。
こんな至近距離で大倶利伽羅さんの顔を見たのは始めてなので、こんなにもまつげが長かったんだな、目を瞑っていても恐ろしいくらい綺麗な顔だな、とか彼の寝顔を見ては一人で赤面した。