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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第20章 通じ合う心


共寝する…となったら己を抑えられなくなりそうだ、そう思った。

そう思ったから椅子で寝る、と伝えた。
なのにあんたは一緒に寝ないと自分も椅子で寝ると言い出した。

そんな事をさせられる訳がないだろう…

確認してから、仕方なく布団に潜り込んだ。

彼女に体が触れないように、なるべく隅に身を置いた。彼女も同じようだった。
警戒するくらいなら何故共寝しようなどと言うのか…。


…寝れるはずがなかった。


彼女も眠れないようだった。
無心でいようと、そう思っていたが彼女が己の名を呼んだ…

視線がぶつかり合った瞬間、抑えていた想いが溢れ出し、気付けば彼女を腕の中に引き寄せていた。

どう伝えればいいのか…伝え方が分からない。もともと弁の立つ方ではないし、言葉にするのが苦手な方だ。
これが光忠なら上手く伝えられるんだろうが…


「あんたが……好きだ」


一度口にすると、自然に心中を吐露していた。

彼女も俺を好きだ、そう言った。
堪らなくなり恥ずかしがる彼女に強引に唇を寄せた。
想像していたよりも柔らかいそれに、抑えがきかなくなり、ただ思うままに何度も唇を重ねた。


離して欲しい…
そう言われたが離したくなかった。離せなかった。
彼女が少し震えているような気がしたので仕方なく後ろ向きにさせた。

そうまでしてもずっとこの腕の中に閉じ込めておきたかった。

暫くすると規則正しい小さな寝息。寝たか…

そして、寝ているのをいいことにそっと彼女の向きを変え、向かい合わせになり抱き込んだ。


己の腕の中の愛しい存在に、これ以上ないくらい心が満たされていくのを感じた…



大倶利伽羅side、終
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