刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
抱き締められていた手が緩められたと思ったら、少し体が離されて大倶利伽羅さんに見つめられた。
そして大倶利伽羅さんの綺麗な顔がゆっくり近付いてきて…
あまりの刺激に顔に熱が一気に集中するのがわかり、思わず自分の顔を手で覆ってしまった。
「…おい」
「…」
すると、大倶利伽羅さんは静かに私の手首を掴み、布団に縫い止めてのしかかってくる。それでも私に体重をかからないようにしてくれているようで、あまり重くはない。
天井と彼の顔が視界に映り、大倶利伽羅さんの顔が近付いてくる…
心臓が口から出そうで、耐えられなくて。
両手は押さえつけられてるしで今度は慌てて顔を横に背けてしまった…
「…」
「…」
一瞥すると、大倶利伽羅さんは私を押さえつけたまま私を見下ろしていて、その顔はムッとしていた。
「…どういうつもりだ」
「だってっ…」
「こっちを向け」
「む、無理…です、は、はずか…し」
まさか想っていてくれていて、好きって大倶利伽羅さんから言ってくれて…それだけでもまだ夢みたいなのに。
はあ…と大倶利伽羅さんの溜め息が聞こえ、失望させてしまったのではないかと急に不安に駆られた。