刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
何が起こっているのか暫くよくわからなかった。
わからないけど、布団の中で大倶利伽羅さんの温もりをすぐ近くで感じて…
抱き締められているという状況を理解した途端に、更に心臓がドクンドクンとこれ以上ない程に、痛いくらいに早鐘を打った。
なんで?どうして?
そんな言葉ばかりが頭の中を駆け巡っていて、体は金縛りにあったように動かなくて…
「…あ、の…っ」
やっとのことで口を開くと、大倶利伽羅さんの手が、腕が、力強く私を抱き締め体が更に密着した。
「あんたが…」
「…」
突然聞こえた大倶利伽羅さんの声。
…
…
「…俺は」
「は、い…」
なに…?普段余り言葉を必要としない彼が言い淀んでいる。
暫く沈黙が続いた後、大倶利伽羅さんが重い口を開いた。
「あんたが……好きだ」
「!!」
今…なん、て?彼は今なんて言った?
好き?大倶利伽羅さんが?
わた…し…を?
これは夢なんだろうか。全く頭が働かない中、大倶利伽羅さんが更に言葉を紡ぐ。
「俺は…あんたに、懸想している…」
「…」