刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
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眠れない…
隣で大倶利伽羅さんが寝ていると思ったら、気になってしまって全く眠れない…
大体彼が近侍部屋で寝ているだけでもドキドキしたのに、今のこの状況。眠れるわけがない。考えたら分かることだった。
ベッドに入ってからどれくらい経ったのだろうか。
時間を見ようと思って枕の下にある端末を取ろうとモゾモゾとしていたら「眠れないのか…」と声がして、「ヒュッ」と一瞬息が止まった。
大倶利伽羅さんの方を見たら、案外近くに大倶利伽羅さんがいて、顔が近くって…
慌てて大倶利伽羅さんに背を向けるように体を反転させた。
「ご、ごめんなさいっ!起こしちゃいましたか?」
「いや、起きていた…」
「そう、ですか」
「…」
「…」
それから大倶利伽羅さんは何も話さなくなり、私も黙ったままで。随分と沈黙が続いた。
大倶利伽羅さんは、もう寝たのだろうか…
少し気になって、彼の名前をそっと口にした。
「大倶利伽羅さん…?」
「…」
返事がないのできっと寝たんだろうなと思って内心ホッとした。
そっと大倶利伽羅さんの方を向いてみたら、大倶利伽羅さんは起きていて…
視線がぶつかりあった。
ドクンッ!!と心臓が跳ねあがった。
もしかしたら私の体も少し跳ねたかもしれない。
大倶利伽羅さんが近付いて来たな…とどこか他人事のように見ていたら、気が付いたときにはグッと腰を引き寄せられていた。