刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
そして…
肩揉みも終わり、私はシャワー室に来ていた。
どうしよう。この瞬間にもどんどん大倶利伽羅さんを好きになっている自分がいる。
久しぶりに大倶利伽羅さんに触れて、胸がとても切なくて苦しい…
彼を見ていると好きですって口にしてしまいそうになる。口にしたら最期。今まで築き上げてきた関係が一瞬にして崩れ去ってしまうというのに。
平常心平常心…と自分に言い聞かせて、シャワーの蛇口を勢いよく捻り懺悔のように頭からかぶった。
なるべくゆっくりシャワーを浴びて、気持ちを落ち着かせることに専念する。
ホテルの浴衣を着て深呼吸をして部屋に戻ると、もう23時近くになっている。時間経つのが本当に早い。
大倶利伽羅さんは窓際の椅子に座って外の景色を眺めていたが、私を一瞥した後「俺はここで寝るからあんたはベッドを使え」と言う。
ソファーならともかく一人掛け用のそんな椅子で寝れるわけがないし、わかりましたなんて言える筈がなくて。
「椅子なんかで寝れるわけないです、大倶利伽羅さんもベッドで寝て下さい」
「一緒に寝るわけにはいかないだろう」
「私なら大丈夫ですから!」
「…」
「大倶利伽羅さんが椅子で寝るって言うなら私もこっちの椅子で寝ます!!それが嫌ならベッドで一緒に寝て下さい!」
『一緒に寝て下さい!一緒に寝て下さい!一緒に寝て下さい!』
自分の言った大胆な言葉が頭の中でこだました…