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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第19章 懇親会


「どーこ見てんの?」

「いえ、」


耐えられなくなって、もうこの人達無視してトイレにでも行こうと立ち上がろうとしたところで、30代半ばくらいの男の人が来て、「君達飲み過ぎなんじゃないか?彼女に無礼が過ぎるよ」と助け船を出してくれた。
男二人組は、チッと舌打ちして席を去っていく。


「すみません、助かりました」

「いやいや、礼を言われる程のことは何も…。どうしても女の審神者さんは男に比べると人数が少ないし、大体は恋仲の刀剣がいるから出会いが中々なくて皆必死なんだよ」

「婚活パーティーとかは…」

「まあ、あるにはあるけど政府の監視下だし、好きに会えないわ、暫くは素性も隠さないとだから中々ね…もし結婚する事になったとしても本丸で暮らしてもらわないといけないし、色々と問題が山積みだよ」

「そうなんですね…」


男の審神者さんは女より孤独で大変なのかもしれない、と思った。


「まあ、そんな感じで僕ももっぱら彼女募集中だけどね」


品があり、さっきの男達とは全然違って話しやすい雰囲気の人だ。

暫くその人とお話ししていたら、閉会の挨拶が始まっていた。やっと終わる…もう心身共にくたくただ。

少し長い閉会の挨拶が終わり、演練で会うことがあったらまたよろしくと言われ男の人と別れた。急いで大倶利伽羅さんのところに駆け寄る。

やっぱり自本丸の刀剣男士の側が一番安心する。


「大倶利伽羅さん、部屋に戻りましょうか…」

「あぁ、大丈夫か?何か気に障る事を言われたか」


大倶利伽羅さんは心配そうに私を見てくる。
心配してくれているのが嬉しくてそれだけで元気が出てしまう単純な私。


「ちょっと気疲れしちゃっただけです」


心配させないように明るく笑い、部屋へと歩き始めた。


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