刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第19章 懇親会
急に二人の男が話しかけて来て、私を挟むようにして席に座る。どうやら二人とも審神者らしい。
「俺は美濃国」
「オレ、大和国」
「…」
「え?教えてくれないの~?ま、いいけど、君可愛いよね。会議の時に見掛けてさ、ずっと気になってたんだよね!」
「えー、お前会議ん時から目付けてたのかよー」
何だか軽い人達、苦手だな…と思いながら、同じ審神者ということもあり、今後も演練・会議で関わることもあるかも知れないので、無視して席を立つ事が出来ない。
「君見たいな可愛い子が審神者やってると、刀剣たちも放っておかないだろ?」
「…どういう意味ですか?」
「またまたー!恋仲の刀剣の二人や三人いるんだろ?」
「三人どころじゃなかったり?毎日ローテーションで夜伽任務させてたり?」
「おいおい、それブラックにならねぇ?」
「あ~なるなる!」
ギャハハハハー!
両隣の二人は大口を開けて笑っている。
…何この失礼な人達は。こんな人が審神者なの?
さっきのオヤジといい、女ってだけでそういう風に見られて、酷すぎる。
「いいよなぁ~女審神者は。イケメン男士がよりどりみどりで!」
「だよなぁ!オレらなんか毎日毎日男に囲まれて面白くないよな!」
「本当それなっ!」
「もし彼氏いないんだったらオレなんかどお?」
「…」
「俺も立候補するわ」
「オレなんか、高級車2台持ってるんだぜ」
チラリと大倶利伽羅さんの方を見ると、大倶利伽羅さんはこちらを見ていて目が合った。大丈夫、見ててくれてる。何かあったらきっと来てくれる…
懇親会では基本、刀剣男士がこちらの席に来るのは余程の事がない限り、マナー違反とされているので、刀剣達は安易にこちらに来ることが出来ないのだ。