刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第18章 定例会義
近くで目が合って、慌てて夜景に視線を戻す。
どうしよう…ドキドキする
「綺麗、だな」
「!!」
真後ろで聞こえる大倶利伽羅さんの、低くて優しい声。ああ、ダメだ。どうしたって意識してしまう。
心臓の音が彼に聞こえてしまわないか気が気でなかった。それを誤魔化すかのように話しかける。
「皆にも見せてあげたいですね、夜景なんて本丸では見れないし…」
「そうだな…」
ロマンチックだなぁ。大倶利伽羅さんと見てるから尚更かなぁ…なんて考えていたら更に恥ずかしくなってしまった。
「テレビでも見ましょうか!」
不自然な程の大きい声。
急いで大倶利伽羅さんから離れてリモコンを取り、テレビをつけてベッドに腰かけると彼は窓際の椅子に腰を下ろす。
テレビの画面にはドラマの再放送らしき映像。
泣きながら男女が雨の中抱き合っていて、感動のシーンなのだろうか。そのまま顔が近づいて…
よりによって大倶利伽羅さんと二人っきりの時にこんな映像が流れるなんて。
慌ててチャンネルを変えると、さっきの雰囲気とは打って変わって堅物そうなキャスターがニュースを読み上げている画面に切り替わる。
一人で空回りししている自分に呆れ、そっと溜め息を吐いた。