刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第4章 約束
「大倶利伽羅さん!!」
息を切らしながら夢中で彼の名を叫ぶと、大倶利伽羅さんは少し眉をひそめてこちらを見た。
資材はもう片付けた後のようで手には何も持っていない。
私はすぐさま大倶利伽羅さんの傍に駆け寄る。
「もしかして怪我してませんかっ!?」
「…」
大倶利伽羅さんは私の問いかけを無視してそのまま資材庫を出て行こうとするので、慌てて左腕を掴んだ。
血痕は資材が置いてあった地面の左側にあった。だからきっと資材を持ち上げるときに腕に力が入ったことで血が落ちたに違いない!
「っ、おい!」
勝手な推測だったけど、掴んだ左腕を見ると捲り上げている袖部分から少し血が見えた。
「やっぱり怪我してるっ!何で言わないんですか!?手入れしないとダメですよ!」
「これくらい舐めときゃ治る」
「治りません!さ、手入れ部屋に行きましょう」
「不要だと言っているんだ」
パシッと手を払いのけられて、そのままスタスタと歩き始める大倶利伽羅さん。傷を見てしまった以上は放っておくなんて出来なくて、私はとっさに叫んだ。
「手入れ部屋に行かないなら、私がその傷舐めますよ!いいんですかっ」
「は?」
大倶利伽羅さんの足がピタリと止まる。