刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第17章 ある日の出来事 3
今日は本丸の休日である。
粟田口の短刀らはかくれ鬼をしていて、鍛練をしている者や、料理の下ごしらえをしている者、広間でゴロゴロしている者など、皆が思い思いに過ごしていた。
審神者である彼女は、雑務を少しだけこなした後に眠くなったのか、そのまま執務室で横になっていた。
ビックリじじぃこと鶴丸は、今日もそんな彼女を驚かそうと執務室をそーっと訪れた。
「ん?」
「スゥスゥ…」
「驚いた。寝てるのか…倒れてるのかと思ったぜ」
これではイタズラは出来ないなと思い、執務室を出ようとしたが、ふと考えた。
いつもイタズラをして彼女を驚かせてばかりいるが、たまには違う驚きもいいかもしれないな。
鶴丸は一度部屋に戻り、二羽の折り鶴を折り、自身の羽織も手にして執務室に戻った。
二羽の折り鶴を寝ている彼女の側に置いて、持ってきた羽織を彼女にかけてあげた。
彼女が起きたときに、笑顔になるのを想像して…
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長谷部は、書庫にある本を読んでいた。その本がなかなか面白いものであったので、続きがあるのか彼女に尋ねようと思い執務室を訪れた。
「主?失礼します」
「スゥスゥ…」
「寝ていらっしゃるのか…」