刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第16章 演練にて
「もしや、あなたの想い人はここにいるのかな?」
ドキリ…。
「そ、そうですね…」
「うーーん。あ、一期一振?」
急に言われて、飲んでいたお茶を落としそうになった。
「あ、違ったかな?じゃあ長谷部とか?」
「…違います」
まさか一人一人聞いていくつもりなのだろうか。もう誰か白状した方がいいかもしれない…
「まさかの後藤くん!なんて言わないよね」
ブッ!ゴホゴホッ、思わずむせてしまった。
「確かに後藤くんは、凄く男らしいけど…」
「ふふっ、あなたの反応が面白くてつい。そうねぇ、大倶利伽羅かしら?」
「…」
名前が出ただけで、心臓が高鳴ってしまう私は重症だと思う。
「そっかぁ!大倶利伽羅かあ!」
しかも肯定もしていないのにばれている。
「そ、そんな大きい声でっ」
「ごめんなさいね、そっかぁ」
そう言いながら、彼女は私の本丸の大倶利伽羅に視線を向けていた。や、やめてぇ…
「不思議なものよね、同じ大倶利伽羅なのにあなたの所の大倶利伽羅はうちの子より、柔らかい雰囲気に見えるわ」
「え?そうなんですか?」