刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第16章 演練にて
「私もね、あなたみたいにずーっと悩んでた時があったんだぁ」
「え?」
「でもね、このまま何も変わらず自分の人生が終わっちゃうのは絶対嫌だって、ある時に思って…振られたら振られたで、開き直ってまた新しい恋を見つけてやるって思ってね、伝えたんだ…」
彼女は幸せそうだった。きっと想いが伝わったんだ、と思った。
正直びっくりした。人間が神様に恋してその想いが叶う事もあり得るんだ…何だか信じられなかった。
彼女は幸せそうに微笑んで、演練中の刀剣に目を向けていた。
「もしかして…その相手って、燭台切さんですか?」
彼女は驚いたようにこっちを見た。そう思ったのは、演練会場に入って来る時に二人がどこか仲睦まじそうにしていたのを、目にしていたからだ。
「わかっちゃった?」
「はい」
「そうなの、思いきって伝えたら向こうも想ってくれててね…だから結果なんて言ってみなきゃわからないし!」
彼女は本当に幸せそうで、いいなぁ~と羨ましくなっちゃって、ついつい大倶利伽羅さんの方を見た。
戦っている姿は一段と格好良くって。
やっぱり大好きだなぁと思った…