• テキストサイズ

刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第16章 演練にて


「言いたくなかったら無理に私に付き合わなくていいからね、気にしないで」


そう言って彼女は一階に目をやった。
女の審神者さんとこうやって話せる機会は本当に少なくて、自分の恋心を誰にも打ち明ける事も出来ずにいた私は、自然と彼女に心の内を話していた。


「実は…好きな刀はいるんですけど、片想いなんです」


え?と彼女は目を輝かせている。


「想いを伝えようとは思わないの?」

「そんな、無理です。相手は神様だし…それに、一振りだけ寵愛したら皆どう思うかも怖いんです。勿論、振られたら今の関係も崩れちゃうし…」


恋心を抱くようになればなる程、ネガティブになっている自分がいた。


「そんなの言ってみなきゃわからないじゃない?」

「…」

「このご時世、何が起こるか分からないから伝えないと後悔するわよ。振られることなんて考えてたら前に進めないし、それに…その刀剣の事諦められるの?」

「それは…」


確かに一理あると思った。仮にも戦争中だ。いつ何が起こってもおかしくない。両親だって事故で急にいなくなってしまったんだ…


私だって、想いを伝えられたらって思う。
それに、大倶利伽羅さんとそういう仲になれたら、どんなに幸せだろう…


/ 1260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp