刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第16章 演練にて
4回戦は快勝して無事に終わり、残るは最終戦のみになっていた。
対戦相手は、燭台切、御手杵、三日月、和泉守、鳴狐、堀川の面々だ。
向こうの審神者さんは女の人で、私より年上でしっかりした感じの綺麗な人。
挨拶をして2階の観覧席から演練の様子を伺う。その間その審神者さんとお話をしていた時のこと。
「あなたは、恋仲の刀剣はいるの?」
「え?」
唐突な質問にびっくりして、思わず彼女の顔を2度見してしまった。
すると、私の様子に気付いたのか審神者さんは照れながら「ごめんね、突然」と笑った。
「いえ…いないです」
「気になってる刀剣もいないの?」
なんか初対面なのに、ぐいぐいくるなぁ、この人…
「あ、ごめんね、困るよね急にこんな話。なんかさぁ、本丸にいると男に囲まれてて本当の女子トークが出来ないじゃない?友達とも会えないしさ、だから今日女の審神者さんに会えてつい嬉しくって!ほら、審神者も男ばかりで女の人が少ないからさ」
そう言って無邪気に笑っている彼女は、なんか憎めない感じの人だった。