刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第16章 演練にて
無事に連隊戦もなんとか終わり、今日は第一部隊を連れて演練に来ている。
今回のメンバーは隊長に一期、大倶利伽羅、長谷部、青江、後藤、次郎だ。
一回戦目は年配の男の審神者さんだった。
よろしくお願いします、とお互いに挨拶して軽く会話をした。
「あなたはお若いのに偉いですね」
「いえ、私なんてまだまだです。刀剣の皆に助けられてばっかりで」
「それは私も同じですよ。恥ずかしながら、この年になって霊力が目覚めましてね…まだ審神者歴一年未満なんですよ。お嬢さん今日はお手柔らかにお願いしますよ」
「こちらこそよろしくお願いします。私もまだ3年なんです」
この男の人は、とても柔らかい雰囲気で自分の父親を連想させるような、そんな人だった。
きっとこの人も家族と離れてここに来てるんだろうな。もしかしたら子供もいるのかも知れない。結婚してなくても兄弟や友達…
少なくとも色々な沢山の人と決別してきたに違いない。
そう思うと審神者の皆が頑張ってると思えて、自分もしっかりしなきゃと改めてそう感じた。
結果はこちらの快勝だった。またよろしくお願いしますね、とお相手の審神者さん。終始笑顔でとても紳士な方だった。
2回戦目は敗北、3回戦目はなんとかギリギリ勝利した。
演練は対戦場から出れば受けた傷は治る仕組みになっているけど、やっぱり皆が傷を負う姿に心が痛んで、いつもあまり直視出来ない。