刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第15章 大切な家族
涙でぼやけていたけど、夕陽に照らされた黄色い花がとても綺麗で幻想的だった。
二人並んで長い時間花を眺めてから大倶利伽羅さんと本丸に帰ったら、門の所で皆が待っていてくれた。
国広くんと光忠と加州くん、安定くんは私を抱き締めてくれて、短刀ちゃん達も泣いて抱きついてきた。
長谷部も泣きながら抱きついてきて、あるじ、あるじと言いながらずっと離れず、しまいには光忠にひっぺがされていた。
三日月さんと一期さん、兼さんを始めとする他の刀剣達は、頭をポンポンと撫でてくれた。
鶴丸は私を笑わせようと早速変な物を私に見せてきて、歌仙に雅じゃないって怒られていた。
血の繋がった家族はいなくなってしまったけど、ここには私の家族があった。
こんなにも優しくて温かい私だけの家族が…
皆と一緒にいられればそれでいい、と思えた。
「心配かけてしまって、本当にごめんなさい」
皆笑ってくれた。
泣き腫らして物凄く腫れている私の目を見て、光忠は冷たいタオルを持ってきて優しく抑えてくれた。
大倶利伽羅さんは、私の頭をくしゃっと少し乱暴に撫でてから望月と馬小屋に戻っていった。