刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
大倶利伽羅さんの動きが止まっている?ような気がした。
暫く沈黙が続いて、大倶利伽羅さんが体重をかけたのか、ギシッとベッドの軋む音がして、それと同時にマットレスが少し沈んだ。
「…?」
ちゅ
「…っっ!」
な、なに?
背中の傷にキ、キス?され、た? え?
私の頭の中は大混乱だった。
「あ、あのっ」
「まじないだ」
「まじない?あ、おまじない?です、か?」
「あんたは傷が治るのに時間がかかるだろう。前も足を怪我したとき、随分と時間がかかっていた…」
「足の怪我…?」
仰向けに向き直り、上半身を起こしながら記憶を辿った。
随分前に、大倶利伽羅さんが手当てしてくれた時の事を思い出した。あの日は確か、雨が降っていた…
ひょっとしてあの時の傷の事を言っているんだろうか。いや、それしか考えられない。
大倶利伽羅さんは、パジャマのズボンを膝上までずらし、脛にあるあの時の傷痕にそっと触れた。
「痕が残っている」
確かにあの時の傷は、少し深くてそのまま足に痕が残っていた。多分これは一生消えない。
覚えててくれて、背中の傷の事も気にかけてくれ…てた?
「お、大倶利伽羅さん…」
「背中の傷は綺麗に治るといいんだが…」
「あ、ありがとうござい、ます」
びっくりしたのと同時に、恥ずかしさと嬉しさが込み上げて、頭が沸騰しそうだった。まさかそんな前の時のことを覚えててくれたなんて…
大倶利伽羅さんは今度は捻挫した足首に薬を念入りに塗ってくれた。
普段刀を振るっているゴツゴツした大きい手なのに、私の肌に触れてくる力加減は壊れ物を扱うようにひどく優しくて、体全体が心臓になってしまったのではないかと思うくらい、終始ドキドキしっぱなしだった。