刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「少し、お時間をいただけますか」
「ん、どうしたの?」
長谷部は何も答えず唇を引き結び、ほんの一拍置いてから、「話があります…」と静かに口を開いた。
私は頷いて席を立ち、広間の隅っこに移動する。皆も察したのか、わざと騒ぎを大きくしてくれている様子だ。長谷部は深く一礼してから、深々と頭を下げる。
「――申し訳ありませんでした」
「えっ、ちょっといきなり何!?」
急な謝罪に頭がついて行かず戸惑っていると、長谷部は頭を下げたまま言葉を続ける。
「作戦中、俺は……主に嘘をつくことができず、部屋に籠るという形で距離を取るしかありませんでした」
唇を噛みしめるような仕草。その選択がどれほど苦しかったか、言葉にしなくても伝わってくる。
「主をお守りしたいという想いは誰にも負けません。ただ…騙すことだけは、どうしても…」
「うん、分かってるよ」
そう言うと、長谷部は顔を上げ少しだけ目を見開いた。
「皆、それぞれのやり方で守ってくれたんだよね?長谷部が私を大切に想ってくれてるのも、私に嘘をつけないのも、私ちゃんと知ってるよ」
「……ありがたきお言葉」