刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
豪快に笑いながら、傍に置いてあった誰も使っていないコップを取りりんごサワーを注いでくれる。 断る間もなく注がれたお酒に、私は苦笑しながらコップを口に運んだ。
「正直さ、アタシは途中でヒヤヒヤしてたよ。“これ、主が気づいたらどうすんだろ”ってさ……それにさ…」
次郎ちゃんは少しだけ声を落とし、私の顔を少し悲しげに覗き込んだ。
「一番しんどかったのは、主だったろ?」
その一言に、胸の奥がきゅっとなる。
「何も知らされずにさ…大倶利伽羅はあの子と一緒にいるし皆は素っ気ないわ、そりゃあ……不安にもなるよねぇ。まあそういう作戦だったんだけどさぁ」
ぐっと距離を詰めた次郎ちゃんの額が、軽く私のこめかみに触れた。
「本当によく耐えたよ。偉い偉い」
ぽんぽん、と頭を撫でられて思わず言葉に詰まる。次郎ちゃんの言う通り、あの時は本当に不安で怖くて仕方がなかった。大倶利伽羅さんが、皆が私から離れていってしまう気がして…
「あの時はさ、下手に口に出したらバレちまいそうで、距離をとるしかなかったんだよ……許しておくれよ…」
「許してだなんてそんなっ、次郎ちゃん、こっちこそごめんね…私が包丁で手を切られなければあんなことには、」
「あーもうっ!それは言いっこなしだよ!仕方なかったんだからさ!」