刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
終わった…――
ふぅ、と息をついた大倶利伽羅は、刀身を払いそっと私室に入る。眠っている審神者は不安げに眉を寄せていた。
…――よく無事でいてくれた。
「…もう、大丈夫だ」
大倶利伽羅は小さく呟き、指先でその髪を撫でた。
沈黙が落ち着くより早く、廊下の向こうから足音が走ってくる。大倶利伽羅は眠っている審神者を起こさぬよう、物音を立てずに審神者部屋から出た。
するとちょうど青江、燭台切、加州、が到着する。
「まんまと姿を現したみたいだねぇ……で、怨霊は祓えたのかい?」
「ああ…」
「それは良かった。大倶利伽羅、見事だよ。愛の力…かな」
ふふ、と笑いながら大倶利伽羅を見やる青江。しかし大倶利伽羅の表情は硬いままだ。
「ほんとゾッとするね。一体昼間に何があったの?怨霊の力がさ、急激に増したからびっくりしたじゃん。あんなヤバい気配久々に感じたよ。…そんなのがあの子の中に潜んでたなんて」
加州の言葉に青江が静かに頷いた。
「怨念というものは、人の“想い”で力を増すものさ。あの娘の奥底にある嫉妬と執着に付け入るにはちょうどよかったんだろう」
そして青江は視線を大倶利伽羅へと向け、軽く目を細めた。