刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
――あいつだったなら…
そんな考えが一瞬よぎったがすぐに打ち消す。この女に対して湧くのは欲情ではない。ただ、どうしようもない不快感だけだ。
黙ったままの俺を女はいいように受け取ったのか、さらに衣をはだけさせ距離を詰めてきた。
「ねえ…大倶利伽羅様…」
「ち、今すぐ出て行け」
「どうしてです?もう審神者のことなんて、どうでもいいんでしょう?」
女の声は、甘さの裏に粘ついた執着を孕んでいた。
「だったら…ね…私と……」
「仮にそうだとしても、お前とどうこうなるつもりはない。出て行け」
そう言い切ると女は小さく息を呑み、次の瞬間上半身の衣をすべて脱ぎ捨てた。
「口ではそう言いながら…結局誘惑に負けるのが男の性……いつまで耐えられるかしらね」
「…失せろ。慣れ合うつもりはない」
側にある刀を抜き、一切の躊躇なくその切っ先を女の喉元へ突きつける。冷たくギラリと光る刃に女は一瞬だけ歯噛みし、やがて唇を悔しげに歪めた。
「審神者の、あの女の何がそんなにいいの……?取り柄といえば霊力くらいでしょう?」
「…お前にあいつの何がわかる」
「ふうん……そう…何を言っても無駄なのね」