刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
あの目…
あの沈黙…
あの、声にならなかった息…
すべてが作戦の成功を告げる証だった、と同時に――二度と消えない傷を俺自身の手で刻んだ証でもあった。
今直ぐ誤解だと言いたいが、それをしてしまっては今までの行動が全て水の泡になる。
くそ……ッ!!
心中で盛大に悪態をつき、もう少しの辛抱だと己に言い聞かせながらその場を耐えるしかなかった。
その夜、外では虫の音ひとつ聞こえず、本丸は息を潜めたまま深い静寂に沈んでいた。
――その中でふと、空気がわずかに淀む。
……あの女。こんな時間に何の用だ…横たえていた身体を静かに起こす。寝たふりをしていたわけじゃない。ただ――あいつのことを思うと、どうしても眠れなかった。
国永たちは夜戦に出ている。今、この場所にいるのは俺ひとり。
襖の向こうでかすかな衣擦れの音。次いで、音も立てぬほど静かに襖が開いた。
女が、ゆっくりと部屋へ足を踏み入れてくる。
「大倶利伽羅様……」
「……何のつもりだ」
問いかけても女は何も答えない。ただ、滑るように室内へ入り込んでくる。その姿に思わず眉が寄った。女の衣服は不自然に乱れ、肌があらわになっている。