刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
三日月は腕を組み、「つまりあの娘は、もう自分の意思で動いていないということだな」と続けると、青江は静かに頷いた。
「三日月の言う通りだよ。包丁は“負の感情”を糧に力を増す。あの子の中で膨らんだ寂しさや羨望を、上手く利用しているんだよ。あの子を媒体に力を蓄えているんだ」
「……そんなの許せない。人の想いを利用するなんて」
小夜の握る拳が震えている。その様子に、薬研が短く息を吐いて小夜の肩を叩いた。
「落ち着け小夜。今は冷静に聞け。焦って突っ込んだら元も子もなくなるぜ」
「だとすると…私達はどう動けば良いのでしょうか」
一期一振が固唾をのみながら問う。すると青江は軽く笑みを浮かべ、周囲を見渡した。彼の視線がゆっくりと大倶利伽羅へ向けられる。
「……そこで、君の出番だよ」
大倶利伽羅は沈黙を貫いたまま、ただ青江を見返していた。瞳の奥で、何かが静かに燃えている。
「包丁は、あの子の“大倶利伽羅への執着”を軸に動いている。なら、君があの子に心を寄せたように見せれば――怨霊は食いつく」
「……つまり、俺が“裏切る”ように見せろということか」
その言葉に、幾人かの刀が息を呑んだ。