刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「――あの子を助けたのは、主と大倶利伽羅だったね。あの子も最初は感謝の気持ちしかなかった。主にも、そして……君にも」
視線が大倶利伽羅へと流れる。大倶利伽羅は腕を組んだまま沈黙で応じた。
「けれど、骨董市に行った時に状況は変わった。この世界には目に見えない神仏悪鬼、魑魅魍魎が死角に身を潜め常に取り憑く機会を伺っている。あの包丁には、かつて持ち主を妬みと憎しみに呑み込ませた怨霊が宿っていたんだ。包丁は、霊力の強い存在――つまり、主に取り憑こうと考えた…」
「それがあの娘となんの関係が?」
歌仙が問うと、青江は頷き更に話を続ける。
「本来なら主の血を受けた時点で取り憑いていた。だけどね、主は審神者でありその上霊力も素晴らしい。普通に取り憑くには無理があったんだろうね」
ざわ、と空気が揺れた。
そんな中長谷部が「流石我が主!しかし主に害を及ぼすとは……断じて許せん」と吐き捨てる。鶴丸は眉をひそめ、「その包丁、あの娘を器にしたってわけか」と問う。
「鶴丸、そういうことだよ。それであの子も人が変わったようになったってわけさ」
三日月は瞼を閉じたまま、静かに青江の話を聞いている。その横で厚が不安げに「取り憑かれたシーはどうなるんだよ」と呟き、乱が震える声で「ねぇ、あるじさんは大丈夫なんでしょ……?」と顔を青ざめながら口にする。