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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第49章 刀剣男士の苦悩と決断


仕方がないので脚立に上り、もう一度高い棚の上の玉鋼を数え直す。すると奥の方に一つが埋もれているのが目に入った。 やっと数が確認できた事に安堵して、その奥の玉鋼を手前に移動させようと手を伸ばし引き寄せる。


「痛……っ」


埃が舞って、目に入ってしまいとめどなく涙が溢れた。瞬きをするたび鋭い痛みが走る。思わず目を押さえるけど涙がこぼれ落ちた。

ひとつ、またひとつ、透明な雫が頬を伝う。目を開けられず、コンタクトを取ろうかと迷ったが、脚立に登っているこの高さでは無理があった。

けれど、ふと気づけばその涙はもう埃のせいではなかった。流れ落ちる涙と共に埃も落ちたようだが、痛みが和らいだあとも涙は溢れ続ける。

流れる涙が次第に胸の奥の悲しみに重なっていく。
視界がぼやけるたびに、彼と過ごした日々の断片が滲んでは消えてを繰り返した。


「……伽羅ちゃん」


名を呼んでも応えてはくれない。

彼と過ごした日々はもう二度と戻ってこない……もう本当に終わりなのかも…という考えがよぎる。彼と縁が繋がっているから、本丸には女性は自分だけだから、自分は彼らの主だから…そんな驕りが自分には少しでもあったのかもしれない。


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