刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「……お前は、変わらないね」
掠れる声でそう言うと、望月は少し首を傾けて、私の頬に鼻を寄せた。その静かな仕草が、まるで「大丈夫だよ」と言ってくれているみたいで、涙が滲んだ。
馬の首筋に頬を寄せ、目を閉じる。その匂い、呼吸、鼓動、すべてが愛おしくて堪らなかった。
「ありがとね……」
囁くように言うと、望月はもう一度、鼻を鳴らした。まるで私の言葉に答えてくれたようでまた涙が溢れた。
「資材庫の整理頑張ってくるね」
背後で、馬たちが静かに鼻を鳴らす音が聞こえる。それがまるで、「行っておいで」と背中を押すように感じられた。
資材庫へ向かう道すがら、木漏れ日が土の上に揺れている。風が吹くたびにどこかで見た景色を思い出してしまう。気づけばそのすべてに、彼の姿を重ねてしまっていた。
「……――しっかりしなきゃ」
そう言い聞かせながら、資材庫の大きな扉を開いた。
資材の数がデータと相違がないか確認する。一人でするには大変な作業だが、何かしているとほんの少しだけ、自分を保っていられる気がした。
あれ……玉鋼の数が一つ合わない…
数え間違えたかな…
もう一度数え直すけど、やはり一つだけ数が合わなかった。