刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
なんとか絞り出した声は、自分でも驚くほど掠れていた。彼女はこれ見よがしに楽しげに続ける。
「ほら、これ!かわいいでしょう?彼が選んでくれたの」
差し出された淡い色の可愛らしい髪留めが、太陽の光に照らされてきらめいている。
その瞬間、息が詰まった。
胸の奥がきゅうっと痛くて、視界が微かに滲む。
「大倶利伽羅様ったら、夜も最近離してくれなくて…神様の独占欲がこんなに凄いなんてっ……ふふっ」
「……悪いけど、やることあるから行くね」
声が震えるのを隠しきれず、早足でその場を離れようと背を向けた瞬間、ふっと笑い声が落ちてきた。
「もう行くんですか?まだ話は終わってないのに。まあこうなるのが運命だったってことですね……それにしても審神者様、かわいそぉ…」
誇らしげな彼女の声が胸の奥を冷たく抉る。
言い返したい言葉はいくつも喉まで上がってきたのに、口を開けば、悔しさと一緒に涙までこぼれそうで――
ただ、唇を強く噛んで、黙ってその場を離れた。
夜も離してくれなくて……つまりは男女の関係だということだ。それが本当ならあの夜、大倶利伽羅さんの部屋から出てきた彼女を見たのは、紛れもなく事後だったということになる。