刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
そう信じたいけど、……違う。
彼が嫌だと思っている存在なら、彼の性格上そんな相手を傍に置くなんてことが端からあり得ない事なのだ。
まさか、大倶利伽羅さんも…シーちゃんに気持ちが傾いている、の…?
暗い疑念が次々と胸の奥に湧く。
考えたくもなくて、カーテンの隙間から微かに差し込む月光に照らされた天井を眺めながら必死で違うことを思い浮かべた。
時計の針の音がやけに耳につくほど、眠れない。
胸の奥を小さく掻き乱すような不安に、気づかないふりをして目を閉じても、思考のざわめきが止まらない。
端末の待受けに視線を向けると、そこには三つ編みをして眠っているいつかの大倶利伽羅さんが映っていた。
今夜は光忠達は夜戦で、部屋には大倶利伽羅さんだけ。
――少し、顔が見たい。声が聞けたら、きっと落ち着く。
そんな衝動に導かれるように、私は静かに部屋を抜け出した。廊下の灯りは落とされ、月の淡い光だけが縁側を照らしている。
足音を殺して、彼の部屋の前で止まる。
こんな時間だ、きっと寝てるに違いない。迷惑だって嫌がられるかも知れない。でも…どうしても彼に会いたい。昼間のキスは誤解だって言ってほしい…