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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第49章 刀剣男士の苦悩と決断



 …

 …


「大倶利伽羅さまっ」


少し近くで聴こえた声に、異様に体が反応してしまう。見たくないのに気になって、つい目が彼らを追ってしまっていた。そこには予想通り大倶利伽羅さんの後を追うシーちゃんの姿。

少し前までは軽くあしらう様子が見て取れたのに、最近は二人並んで歩いている姿をよく見かける。

口を動かしているのはシーちゃんだけで、大倶利伽羅さんは前を見て無言で歩いているけど、二人の距離が縮まっているのは明らかだった。

そんな中、二人が立ち止まった。シーちゃんが一歩大倶利伽羅さんに近づき背伸びをして顔を上げ、大倶利伽羅さんの顔に近づく。その瞬間、彼の手が動いて――まるで顎を取って、唇を寄せるように見えた。

胸がざわりと波打つ…

視界がかすむほど血の気が引いて、「うそ……」と小さくこぼれた声は、自分のものとは思えなかった。


――足が動かない。


立ち尽くしたまま、自分だけが暗闇に取り残されているようだ…


拒まなかった。
大倶利伽羅さんは、拒まなかった。

その事実だけが何度も頭の中を巡り、呼吸の仕方さえわからなくなる。喉の奥が熱く、痛い…

ほんの数秒の出来事なのに、永遠みたいに長く感じた。


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