刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
その日の夕餉は、大倶利伽羅さんの姿は見かけなかったけど、次郎ちゃんと日本号さん、その他の酒豪のメンバーがシーちゃんを囲ってなにやら楽しそうにしていた。
刀剣達にとっての彼女は、大倶利伽羅さんにアプローチしていること以外は、今まで通りのいい子に映っているのだろう。
それが無性に腹ただしくて悔しい。
私に対してはあんなに酷い言葉を平気で吐くくせに、刀剣達の前では聖女を演じている。
私が皆に彼女の本性を伝えたところで、刀剣達をも巻き込む事態に発展するだけ。
混乱を生むだけで、彼女の延長取消が出来ない今となっては何の解決にもならない。だから余計なことは言わないほうがいい事は理解している。
あと一週間、一週間の辛抱。
あと一週間大倶利伽羅さんを信じて耐えるしかない。
大倶利伽羅さんは大丈夫…彼女の誘いになんてのったりしない…
頭ではそう信じているけど、その後も大倶利伽羅さんの隣に居座っているシーちゃんを見るたびに、私の中の疑いと不安と嫉妬が絡まり合って、黒い糸のように広がっていく。
彼の事を信じている。
だけど、心のどこかで“もしも”が囁くたび、息が詰まるようだった。