刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「わかった…じゃあせめてこれから一緒に出掛けない?出掛けるのが嫌なら一緒にいるだけでもいいから」
「……悪いが鍛錬の時間だ」
「っ、そ、そっか…そうだよね、伽羅ちゃんにだって予定があるもんね……急に言われても困るよね…」
「…」
冗談とかそんなことは絶対言わない大倶利伽羅さんだからこそ、今言われた言葉は嘘のないものだとわかる。でも、それでも、鍛錬はやめる、あんたと一緒にいる、とかそういう言葉を言ってくれるのを期待した、のに…
「すまない」
はっきりと言われた言葉が、耳の奥で何度も反響する。何を言っても届かないことを、彼の表情が物語っていた。
「ううん、大丈夫。気にしないで…」
自分の声が少し震えているのがわかった。彼の横を通り過ぎるとき、わずかにすれ違う空気の温度がいつもと違って感じた。
シーちゃんに出て行けと言ったことが、大倶利伽羅さんの耳にも伝わっているのかもしれない。それで…私のことを軽蔑しているのかもしれない…そう感じた。
じゃないと、少し前一緒に過ごしたいって大倶利伽羅さんから言ってきたのに、おかしい。
足音を響かせないように静かに歩きながら、目の奥の熱に堪える。
大倶利伽羅さんが襖の向こうへ消える直前、振り返ることだけはしなかった。