刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
広間の出入り口で待ち伏せして、大倶利伽羅さんの後から出てきた彼女を捕まえ、廊下の隅に連れ出した。そして、今日の仕事が終わってからでいいから、少し時間を作って欲しい。私の部屋で話をしたいから、とお願いした。
私の予想とは反して彼女は満面の笑みを浮かべながら私にこう言った。
「わかりました!じゃあ夜に審神者様のお部屋にお邪魔しますね!」と…そんな彼女に安堵したのも束の間…約束の時間を過ぎても彼女が私の部屋を訪ねてくることはなかった。
その後も接触を図るものの、避けられているのか私が近付くと、さっといなくなってしまう状況が続いた。
これは…
どう考えても、私を避けている?いくらなんでもあからさますぎる行動に愕然とする。
このままじゃ無駄に日にちが過ぎていくだけだ。何としてもシーちゃんを捕まえて話をしなければ。…でも私が近付くと必ず逃げるようにいなくなる。ご飯の時間もずらしているみたいだし、最近はどこにいるのか夜でさえ部屋にいないことが多い。
どうしたものか…
こうして私が頭を抱えている間に、大倶利伽羅さんがシーちゃんの猛アタックにあっていることなんて、私は知る由もなかった。