刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
「立川さんの立場が危うくなる」
「それは…そうかも知れませんが……」
立川さんの名前を出すと、流石にこんのすけも渋面になった。
「やっぱり、今後どうするか踏まえてシーちゃんときちんと話し合ってみる。それに何であんな嘘ついたのかも気になるし…だからそれまでは、」
「はいはい…わかりましたよ…審神者様は言い出したら聞かないですからね……ふぅ、そうですねぇ……ではこうしましょう。私が黙認するのはあくまで2週間の期間とします。それ以上は私も責任を負いかねます。政府にも刀剣達にも2週間延長と伝えますから、その間になんとしても解決してください。それで良いですね?」
「わ、わかった…!ありがとうこんのすけ」
お礼を言うとこんのすけは不備のあった書類の説明をしてから再び白煙と共に消えた。そしてそれとほぼ同時に再び空気の揺れを感じる。恐らく防音の結界が解除されたのだろう。
…防音の結界かぁ。
習得していればこんな時でもこっそりと、大倶利伽羅さんとのラブラブな時間を過ごせたかも………ふと邪な考えが浮かんだが、そもそも防音の結界なんて習得しなくても良い結界術。それを今更習得したいなんて…それ目的と言ってるようなものだし、恥ずかしくてやっぱり無理だ。
私の意見を尊重してくれたこんのすけに感謝し、その日は疲れているであろうシーちゃんをなるべくそっとしておいて、次の日仕事が片付いた後にシーちゃんと話をするべく彼女を探した。