刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
「……でも…政府を介したら強制的に問題解決されてしまって、彼女の本当の気持ちがわからなくなっちゃう…」
私がそう言うと、こんのすけは呆れたように溜息をついた。
「本当の気持ちを知ったところで何になるんです?それに、本当の気持ち以前に審神者様に嘘をつく時点でアウトですからね!以前とは別人のようったって、それが本性だったんでしょうよ」
「……」
「何を迷っているんです?全く…相変わらず人が良いんですから…」
「だって…そんなすぐに結論出せないよ…」
こんのすけの言うことも一理ある。
だけど…そんな簡単な話じゃない。それに立川さんの立場もある。
「こんのすけの言う通りなのかもしれない、だけど、無理を言ってここで預かる事になったの知ってるでしょ?」
手足に加えて、尻尾までも毛繕いしていたこんのすけが怪訝な顔で私を見上げた。
シーちゃん、部外者を本丸で預かる件は元々政府に却下されていた。なのに立川さんが全責任を負う形でこの本丸で預かれるようにしてくれた。
それなのに途中で投げ出したら彼の顔に泥を塗るどころか、彼の政府での立場まで危うくしてしまうことになりかねない。
そんなことになったらそれこそ恩を仇で返すようなもの。
…それだけは絶対駄目だ。