刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
防音の結界…あ!さっきの結界は防音の結界だったんだ。なるほど、こんのすけの咄嗟の機転にホッとしつつ、私は順を追って説明した。
「あのね、シーちゃんが急にまだ出て行きたくないって言い出して…それは全然問題ないのだけど…」
「そうなんですか?では政府にもう少し時間が必要と連絡しておかなければなりませんね。…それで問題とは?」
「うん…シーちゃんのね、様子がおかしいの…足を捻って歩けないって嘘付いたりして…ここに居たいなら嘘付かなくても素直にそう言ってくれればいくらでも居ていいのに。それに…急に以前とは別人みたいに人が変わった感じがして…うまく言えないけどなんか引っかかるというか…」
「ふむ……なら、追い出してしまえばいいんじゃありませんか?」
「は!?」
今追い出すって言った??
驚いている私をよそにこんのすけは、至極当然とも言うように、落ち着いた様子で手をペロペロと舐めて毛繕いをしながら話し始めた。
「今までの恩を仇で返すようなやつを、そのまま囲う必要などありませんよ」
「べ、別に追い出したいわけじゃないよ!?…ただ今はちょっと混乱してるというか…」
「大丈夫ですよ。政府に引き渡した所で悪いようにはされませんから。それに元々その予定だったわけですし?審神者様がその者に気を遣うことは何一つありませんよ。逆に今の今まで面倒を見てもらえただけ幸せだったと思ってもらわないと!」