刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
「審神者様の大きな声でこっちが驚きました…全く、寿命が縮みましたよ」
「いきなり目の前に現れるこんのすけが悪いんじゃないっ…もうっ今もまだ心臓がバクバクしてるよ。本当に吃驚したっ!」
そんな私にぶつぶつ小言をこぼしながら呆れたような半眼を向けるこんのすけ。そして急に真剣な表情になったかと思えばキョロキョロと辺りを見渡した。その後何かを呟いたかと思えば、周りの空気がビリビリと少し揺れるのを感じる。
「ん?……もしかして…何かの結界?張った?」
「御名答です!それはそうと何かあったのですか?部屋の前で立ち竦んじゃって。珍しく考え事ですか?」
「珍しくは余計…でも………うん……そう…」
「……提出された書類に不備がありましたので修正をお願いする為に来てみれば、何やら暗い空気でしたから……もしやあの娘と何かあったんですか?」
「えっと……」
隣の部屋にはシーちゃんがいる。聞かれてはまたややこしいことになりそうなので、私はジェスチャーでこんのすけに他の場所でと伝えた。
「防音の結界を張ったのであの娘には聞こえていませんから大丈夫です」
ケロッとした顔のこんのすけに私は呆気にとられる。