刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
「別にそういう訳じゃありません。ただ、もう少しここに居たいなって思っただけです。そんな理由じゃ駄目ですか?」
本当にそれだけなのかな…
疑問が残るけど、かといって追求するのも憚れて、この場合はこれ以上何も聞かない方がいいのかどうなのか、と考えていたその時、彼女が悲しげに「直ぐに答えが出せないのは納得いかないってことですよね。…気持ちの整理が付くまでいつまででも居てもいいって言ってたのに…やっぱり迷惑ですか…?」と、今にも泣きそうな顔をして訴えかけてきた。
暫し考えていて間が空いたのは事実だけど、邪魔だとか面倒だなんて、そんな風に思ったことは一度もない。
まさかそんな風に言われるなんて思いも寄らず、私は焦り彼女を宥めた。
「………っ、あ、あのね、出て行って欲しいだなんて一度も思ったことないし、逆にシーちゃんがいなくなっちゃうと思うと寂しくて仕方ないくらいだよ。ただ、さっきも言ったように何か不安とか抱えているなら力になれたらいいなって思っただけで…誤解させたのならごめんねっ」
私の言葉にシーちゃんは、潤ませていた瞳を輝かせる。
「……よかった…!なら…暫く滞在させてください。それで…申し訳ないのですが私少し休んでもいいですか?…立ってたら足が痛みだしてきたし、何より疲れちゃって…」