刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
「何それ……お別れ会もしたのに!?……余程の理由があるのかな……でもさぁ、あるじさん優しいから言いにくいだろうけど、納得いかない理由だったらちゃんと断った方がいいよ?だって変だよ」
「……うん、そうなんだけど…」
「とにかく、理由がわかったらボクに報告してよね!」
何かあったら力になるから!そう言って乱ちゃんは軽快な足取りで執務室を出て行った。
「力になれることがあったら僕にも遠慮なく言ってね」
「日向くんもありがとう…で、…早速仕事中にごめんなんだけど…気になるからシーちゃんとこ行ってきてもいい?」
「いいよ!僕がちゃんと進めておくから任せてよ」
「うぅ……ありがとう、日向くん」
大倶利伽羅さんのところか……今日は彼は非番だったはず。シーちゃんは大俱利伽羅さんに何の用があるんだろう…乱ちゃんの言っていたことを思い返しながら重い足取りでシーちゃんを探しに執務室を後にする。
なんだかモヤモヤしながら縁側を歩いていると、庭先でシーちゃんが大倶利伽羅さんの後を追っかけている姿が目に飛び込んできた。
大倶利伽羅様待って!と言いながら小走りで追いかけるシーちゃんは随分焦っているように見える。
ただ事ではない様子に思わず目を疑った。