刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
それに…なんだろう…この不気味な感じは…
背筋を冷たい手で撫でられるような…なんだか良くない事が起こりそうな嫌な感じ…
「ちょっと…大丈夫なの!?シーちゃん!」
言いようのない不安に駆られて少し大きな声で呼びかけながら、自身の羽織っている上着を脱ぎ彼女に羽織らせると、彼女はハッとした表情をさせ、辺りをキョロキョロ見渡した。
「え?審神者様?…………あれ?…私なんで庭になんか…」
「シーちゃん…?覚えてないの?」
「…?私…さっきまで次郎様達と飲み比べをしていて…えっと…部屋に戻るところだったはず?なんですが…?」
「えぇ…?大丈夫?」
「私なんでこんな所に?……ひょっとしてやらかしちゃいました…?やだ、恥ずかしいですっ」
顔を真っ赤にしているシーちゃんに、とりあえず中に入ろうと促し、時間も時間だしお話は明日にしようということにしてそれぞれ床についた。
それなりにお酒を飲んでいたのと、夜中に何度も目が覚めたせいか二日酔い、というほどではないけど朝の目覚めはなかなかに最悪だった。
一方のシーちゃんは二日酔いで起き上がれないほどだった。やっぱり昨晩は酔っ払ってたんだよね、と苦笑しながらも反省した様子で、良くなったらお仕事のお手伝いしますから…と申し訳無さそうにする彼女に、無理しないでと伝えた。