刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
「シーちゃん?どうしたのこんなところで…眠れないの?」
ひょっとしてシーちゃんも暑くて目が覚めたのかな…それで眠れなくなって縁側に?それとも…もしや酔っ払っている!?
昨晩の宴は皆お酒を飲むペースが早かった。だから私もつい雰囲気に呑まれてペース配分を間違えて飲みすぎてしまったのもある…
お酒に強いシーちゃんとはいえ、あの後浴びるほど飲んだのであれば酔っぱらっていても不思議ではない。私は先に部屋に戻ったからその後の事はわからないけど、ひょっとしたらつい先程まで飲んでいたとか?
「シーちゃん?」
彼女に声をかけるも、振り向くどころか返事さえもない。
「シーちゃん…?酔っ払ってるの?もしかしてお酒強いからって飲みすぎちゃった?……シーちゃん??……ねぇ、そんな恰好で流石に風邪引いちゃうよ…取り敢えず中に入ろう?」
随分と薄着のシーちゃんが心配になって沓脱石に置きっぱなしのサンダルを急いで足に引っ掛けて近付くと、シーちゃんのボソボソと何かを呟くような声が聞こえてきた。何を言っているのかまでは小さくて聞き取れない。
酔っぱらっているか、逆に飲みすぎて気分が悪くなったのかわからないけど、明らかに様子がおかしく目の焦点までが合っていない。大袈裟に言うと正気ではない、そんなような表情だった。