刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
皆も楽しいのかいつもよりお酒を飲むペースが早い。シーちゃんに至っては、酒豪の中に混じって飲み比べ対決をしている始末。私もその輪の中に入って飲んでいたが、そもそもそんなに飲めない私には場違いだった。
沢山飲むぞ、と次郎ちゃんに意気込んだはいいが、酒豪達のペースについていけたのは序盤も良いところ。早々にこれ以上無理だと悟り、チビチビと飲んでいたら今度は山鳥毛が奥にしまってあったというとっておきを提供してくれて…
これがまた飲みやすいのが悪かった。
少しづつやってくる酩酊感に気分が良くなって…いつの間にか随分と飲みすぎていた。眠たくなってきたなぁ、とぼんやりしている内に、とろりとした睡魔に徐々に包みこまれていくのを感じる。
「小鳥、こんなところで寝ては風邪を引く」
「へへ……山鳥毛の秘蔵のお酒、美味しくて飲みすぎちゃった…こんな高級なお酒提供してくれて、ありがとうね……」
「小鳥と飲めるとは思わなかったから私も嬉しい」
眠気でふわふわした頭でお礼を言うと、山鳥毛がはにかんだ笑顔を浮かべた。
その内本格的に眠くなって、頭では部屋に戻らないといけないとわかっているのに、気持ちが良くてうつらうつらしてしまっていると、山鳥毛がそっと肩を貸してくれた。